
朝起きると顎が疲れている、無意識に歯ぎしりや食いしばりをしている、エラの張りが気になるといったお口周りのトラブルにお悩みの方は少なくありません。
歯科医院で行うボツリヌス治療は、筋肉の過度な緊張を和らげ、これらの症状改善が期待できる選択肢の一つです。
今回は、歯科で行うボツリヌス治療の仕組みや、どのようなお悩みに用いられるのかを解説していきます。
目次
■歯科で行うボツリヌス治療の仕組みとは
注射によってお口のトラブル緩和を図る背景には、筋肉と神経の働きが深く関係しています。
筋肉の過度な緊張を和らげる作用
ボツリヌストキシン製剤は、神経から筋肉への伝達を抑える作用を持っています。過度に緊張している筋肉にピンポイントで用いることで筋の収縮を弱め、リラックスした状態へ導くのが特徴です。
歯と顎の関節を守ることが目的
睡眠中の無意識な食いしばりや歯ぎしりでは、奥歯に想像以上の強い力がかかっています。
歯科で行うボツリヌス治療は、過剰な噛む力を和らげることで、大切な歯が欠けたり顎の関節にダメージが蓄積したりするのを防ぐ目的で用いられています。
■ボツリヌス治療で改善が期待できる4つの悩み
お口周りの筋肉の過剰な働きが原因で起こるさまざまな症状に対して、治療がどのように作用するのかを整理します。筋肉の動きを調整することで、機能面や見た目の改善が期待できるケースもあります。
歯ぎしりや食いしばりの対策
咬筋などが過度に働く場合、筋の収縮を弱めて噛む力や痛みを軽減する目的で用いられます。ただし歯ぎしりの原因は多岐にわたり、効果の出方には個人差がある点に注意が必要です。
筋肉の発達によるエラの張りの緩和
咬筋が発達しているケースでは、筋量の変化により輪郭が変わることがあります。筋肉の緊張を解いて休ませることでエラの張りが緩和される一方で、噛みにくさなどの変化が出る可能性もあるため、適応は診察で慎重に確認していきます。
笑ったときに見える歯ぐき・ガミースマイルの改善
上唇を引き上げる筋肉の働きが強いタイプでは、唇の上がり方が変化して自然な口元に近づくことがあります。効果は永久的ではなく、骨格や歯ぐきの形が主な原因である場合は別の治療を検討する流れとなります。
下顎のシワ・梅干し顎の改善
口を閉じるときに下顎にできるシワは、オトガイ筋という筋肉の緊張が関係している場合があります。この緊張を和らげることでシワが目立ちにくくなりますが、注入部位によっては口元の動きに影響する可能性もあるため注意が必要です。
■従来の歯ぎしり治療との違い
歯ぎしりの対応として一般的なマウスピース療法とボツリヌス治療には、役割に違いが見られます。
マウスピースは歯を物理的に守る対症療法
就寝時に装着するマウスピースは、上下の歯が直接こすれ合って削れるのや摩耗を防ぐなど、物理的な保護を目的に使用されるのが一般的です。
ボツリヌス治療は噛む力そのものを抑えるアプローチ
ボツリヌス治療は、歯ぎしりを引き起こす筋肉の収縮を弱め、噛む力を弱めることを目的としています。歯ぎしりを完全になくす治療としては、まだ研究段階の部分もありますが、筋肉の緊張を和らげることで症状の軽減が期待されています。
症状に合わせて両者を併用することも可能
マウスピースで歯を保護しつつ、必要に応じてボツリヌス治療で筋肉の緊張を調整する方法を検討する場合があります。症状に合わせて組み合わせることで、お口の健康を守る総合的なアプローチに繋がるでしょう。
■お口周りの筋肉の悩みは歯科医院へご相談を
ボツリヌス治療は、噛む力が強いことに伴う負担軽減や、口元の筋肉の緊張調整を目的に検討されることがあります。
一方で効果や副作用には個人差があり、まれに注射部位から離れた筋肉への影響や、口元の動かしにくさなどが報告されています。
また、日本の歯科領域では自由診療や適応外使用として扱われるケースがあるため、リスクをしっかり確認したうえで進めることが大切です。
ゆき歯科クリニックでは、患者さんのお口の状態や筋肉の発達具合を丁寧に診察し、一人ひとりに適した治療をご提案しています。
無意識の噛み締めや口元の筋肉でお悩みの方は、まずは一度当院へご相談ください。
